発電機とは【電気(電源)】 (日本の製造業で頑張るブログ/1話/20210810)
発電機のうち自家用発電設備について説明します。
ざっくり大枠説明のみですので、枝葉の詳細は、お手数ですがggrksお願いします。
自家用発電設備とは、需要家(ユーザー)が自ら消費する電力を賄う為に設置される発電設備の事で、電力会社の発電所の事ではなく、ユーザーが構内に、電力会社からの電力供給が途絶えた時を想定して(いわゆる停電)設置する発電機の事です。
1.発電機の設置目的・用途(商用電源が停電になった時)
①防災用:法令により義務づけられている為、小~中規模の様々な施設に設置
されています(事務所・マンション・ホテル・学校・店舗等)。
(1)消防法で「非常電源」と記載されていて
消火栓・スプリンクラー・その他など 消火で必要となる負荷を発電機電源で
バックアップする必要があるもの。
(2) 建築基準法で「予備電源」と記載されていて
非常用エレベーター・排煙設備・非常照明等 停電時に人を逃がす設備の
為の負荷。
②保安用
安全上支障がある場合や、社会的影響が大きく業務を継続し続ける必要がある
設備について、自主的に設ける用途。
病院・電話等の通信施設・IT事業者のデータセンター・銀行など、サービス停止
が社会インフラに大きな影響をあたえる需要家が多く、大容量の発電機を
複数台設置する場合が多い。
③常用
電力会社からの電力供給の有無を問わず、電力を常時供給する為の発電機。
コージェネレーションシステム(CGS)もこれに当たります(発電機運転時に発生
する熱を暖房や給湯に使用し、燃料が持っているエネルギー効率を高くする
もの。70%くらいになる。)。
2.関連法令
・電気事業法(電気工作物)
・消防法(非常電源、液体燃料(危険物))
・建築基準法(予備電源)
・大気汚染防止法、騒音規制法、振動規制法、電気工事業法、労働安全衛生法
3.関連規格
JIS・JEC・JEM・電気設備技術基準・㈳日本内燃力発電設備協会規格
4.非常用発電設備の運用
消防庁の告示に「常用電源停電後、電気送出まで40秒以内」と記載がある為、
停電から負荷側への電力供給(下記)を40秒以内に行う必要があります。
停電発生
⇒停電検知(27)
⇒エンジン起動/(受変電設備側)母線連絡遮断器 解放
⇒発電機 電圧確立後 自動投入
⇒(受変電設備側) 発電遮断器投入後、発電機連絡遮断機 投入
⇒フィーダ遮断器 投入
5.非常用発電機の種類
非常用発電機で用いられる事が多いディーゼル発電機、ガスタービン発電機の
特徴は以下の通りです。
①ディーゼル発電機(DG:Diesel Generator)
ガスタービンに比べ質量、振動が大きく高層階設置には向いていない。
液体燃料のみ。
エンジンを主に冷却水で冷却している為 給気・換気の設備規模は小さい。
②ガスタービン発電機(GTG:Gas Turbine Generator)
ディーゼル発電機と比較し燃料消費量が1.8倍程度。
低振動で高層階設置に適している。
冷却水設備が不要。
発電機燃料として、ガス・液体のどちらも適用可能。
エンジンを主に空気で冷却している為 給気・換気設備規模が大きい。
6.非常用発電機の構成
1000KVA以上の大容量発電機の機器構成の一例を下記します。なお1000KVA以下の
容量帯の発電機は、1つのパッケージ(箱)に収められているものが一般的です。
①発電装置(原動機(エンジン)+発電機)
②排気消音器
③給気・換気設備
④自動始動発電機盤(①を制御する為の盤)
⑤始動用直流電源盤(空気始動の場合は空気槽設備)
⑥燃料槽(~小出槽~地下タンク)
⑥冷却水槽
7.新設で発電機工事を行う際の体制の ざっくり 一例
ゼネコンさん・・・地下タンクのタンク室製作、地下タンク~発電機間配管工事
電気サブコンさん・・・受変電設備~始動電源までの配線工事、発電機~受変電
設備までの配線工事
メーカーさん・・・発電機の搬入設置工事、フロア内納入設備間配線工事
8.非常用発電機の主なメーカー(国内・海外)
川崎重工さん
IHI原動機さん
デンヨーさん
東京電機さん
ヤンマーさん
明電舎さん
日本車両さん
ニシハツさん