孫氏の兵法【やる気】 (日本の製造業で頑張るブログ/3話/20210811)
1.始計篇:始めのはかりごと。戦争に向かう心得や事前の準備が大切。
・兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり。察せざるべからず。
⇒戦争は国家の一大事で、国民の生死、国家の存亡にも関わってくる
のだから最新の注意を払って検討に検討を重ねなければならない。
戦争は何も生み出さない。亡くしていくばかりである。できれば
しない方が良い。
・兵は詭道なり。
⇒戦争とは騙すことである。
できるのにできないふりをしてみたり、いるのにいらない様に見せたり、
近いのに遠くに見せたり、遠いのに近くに見せたり、有利だと思わせて
誘い出し、混乱させてやっつける。充実している敵には準備を整え、強い
敵とは戦いを避け、長髪して掻き乱しておいて、低姿勢に出て油断させる、
休養をとっている者は疲れさせ、親密にしている者同士を引き離す、
無防備なところを攻めて意表を突く。
2.作戦篇:戦争全般に関する方向性や心がけ。お金の使い方。
・知将は務めて敵に食(は)む
⇒優れた将軍は兵糧などを敵地で調達する。
・兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず
⇒短期決戦にしろ、長期戦はするな。
3.謀攻篇:戦うより作戦
・百戦百勝は善の善なるものにあらず
⇒戦争というのは相手を傷付けないで降伏させるのが良い。だから百回戦って
百回勝ってもそれは良い事ではなく、戦わず降伏させる様に取り組むべき
である。
・彼を知り己を知れば、百戦して危うからず
⇒敵を知り自分を知っていれば百戦しても負けない。
4.軍形篇:守りを固めて相手が崩れるのを待つ
・善く戦う者は、勝ち安きに勝つ
⇒名将は勝ちやすい者に勝つ。だから名将は勝ったとしても、その名を知られる
事はないし、賞賛もされない。
・まず勝ちて後に戦う
⇒勝つ者は先に勝ってから戦い、負ける者は戦ってから勝つ方法を模索する。
勝敗はもう戦う前に決まっている様なものなのだ。
5.兵勢篇:個人よりチームで戦う
・戦いは奇をもって勝つ
⇒対峙する時は正攻法で、勝つ時は奇襲で
・勢に求めて人に求めず
⇒兵士一人一人の行動に期待するのではなく、勢いに乗る事を重視する
・利をもって動かし、卒をもって待つ
⇒敵をこちらの思うように動かしておいて、主力部隊を繰り出して一気に
波に乗る機会を待つ
6.虚実篇:敵を操る
・人を致して人に致されず
⇒相手に左右されず自分が相手を左右する立場に立つ
・その守らざるところを攻める
⇒敵がすぐに行けないような場所に進撃し、敵が思いつかない方向へ攻撃する
・兵に常勢なく、水に常形なし
⇒充実した部分を避けて守りの薄い所を攻撃する。水に一定の形がないように、
戦い方にも決まった形はない。
7.軍争篇:やるとなったら速く仕留めろ
・迂をもって直となす
⇒回り道をしながら直進し、損をしながら得をする
・疾きこと風のごとく徐かなること林のごとし
⇒疾風のように早いかと思えば、林の様に静まり返る。
燃える炎の様に攻撃するかと思えば、山の様に動かない。
暗闇に隠れたかと思えば雷の様に現れる。
兵士を分散して村を襲い、守りを固めて領地を増やし、
的確な状況判断のもとに行動する。
敵より先に迂直の計を使えば勝つ。これが勝利への道だ。
・正々の旗を邀うる事なく堂々陣を撃つ事なし
⇒正々堂々とした敵とは戦わないこと。勝算がなければ戦わないこと。
8.九変篇:9パターンの状況 臨機応変に
・君命に受けざるところあり
⇒道には行ってはいけない道もある。
敵には攻撃してはいけない敵もある。
城には攻めてはいけない城もある。
土地には奪ってはならない土地もある。
君主の命令には従ってはいけない命令もある。
・必死は殺され、必生は捕虜となる
⇒将軍には5つの危険がある。
必死な者は殺される。
生きようとする者は捕虜となる。
怒りっぽいものは軽視される。
まじめな者は策にはめられる。
民衆の事を考え過ぎると精神的にまいってしまう。
9.行軍篇:行動と偵察
・しばしば賞するは苦しむなり
⇒やたら賞金や勲章を連発するのは行き詰まり、やたら罰するのも行き詰る。
部下にさんざん怒鳴り散らしておいて後で嫌われるのを気にするなんて
馬鹿をされけ出している様なものだ。
10.地形篇:環境に応じる
・卒を視ること嬰児の如し。卒を視ること愛子の如し。
⇒部下の事は赤ちゃんの様に、わが子の様に思え。そうやってこそ兵士は
将軍と生死を共にしようと思う様になる。
・彼を知り、己を知れば、勝、乃ち危うからず。天を知りて地を知れば、勝、
乃ち窮らず
⇒敵と味方を把握し、時を待って地の利を活かせば、必ず勝つ
11.九地篇:9パターンの環境
・呉越同舟、相救う
⇒呉と越、敵同士の二つの国の人であっても、同じ船に乗って嵐に遭遇して、
船が危ないとなれば、お互いが協力して左右の手の様に動くはずだ。
・始めは処女のごとく、後に脱兎のごとし
⇒始めは処女の様に振る舞って敵を油断させ、その後逃げるウサギの様に攻撃を
仕掛ければ、もう敵は防げない
12.火攻篇:開戦は慎重に
・利に合わせて動き、合わずして止む
⇒有利な状況でなければ動かず、必勝の作成しか用いず、よほどの事がない限り
戦わない
・いきどおりをもって戦いをいたすべからず
⇒怒りにまかせて軍事行動を起こしてはいけない。有利だと思えば行動し、
不利だと思えば撤退する。
13.用間篇:スパイを使う
・百金惜しみて敵の情を知らざる者は不仁の至り
⇒金銭を惜しんで敵情を視察しない者はアホだ。
・聖智にあらざれば間を用いることかなわず
⇒人格者であり知恵のある者でなければ間者は使いこなせない。人を慈しむ心を
持つ者でないと間者は使いこなせない。細かな気配り・配慮がないと実際の
功績は得られない。